第2編 物質の変化

第3章 化学変化と質量

1質量保存の法則  

2反応式と物質の式量

 

 質量保存の法則

密閉した容器中でスチールウール(鉄)を燃焼する。このとき反応前後の質量を比べてみる。

 

 ① フラスコにスチールウール(鉄)と酸素O2を入れ密閉し,フラスコごと質量を測る。

(「フラスコ+電極+酸素+鉄」の質量)

 ② 電源を入れ,フラスコ内でスチールウールを燃焼させると,スチールウールは酸化鉄Fe2O3になる。

このとき,フラスコごと質量を測定する。(「フラスコ+電極+余った酸素+酸化鉄」の質量)

 

 ここで,①と②の質量は,変化するかどうか考えてみよう。

 

「フラスコ+電極+酸素+鉄」の質量=「フラスコ+電極+余った酸素+酸化鉄」の質量

⇒ 「反応の〔 前後 〕で,〔 物質全体 〕の質量は変わらない」 

 これを〔 質量保存の法則 〕という。

 

例題 鉄3.5gを空気中で加熱し,質量を測定したところ,5.0gであった。この鉄と反応した酸素は何gか。

 

  質量保存の法則より,鉄+酸素=反応後の物質(酸化鉄)

   3.5x5.0  x1.5g

 

例題

マグネシウムMg 1.2gを一定時間加熱すると,一部が白い物質に変化した。加熱後の物質全体の質量を測定するという操作を5回繰り返し,次の結果を得た。後の問いに答えよ。

 
 

(1) 加熱したときにできる白い物質は何か。

(2) この反応を化学反応式で書け。

(3) 表で3回目から質量が変化しないのはなぜか。その理由を説明せよ。

(4) (1) の白い物質を構成するマグネシウムと酸素の質量の比を,もっとも簡単な整数比で求めよ。

(1) 酸化マグネシウム

(2) 2MgO22MgO (MgOはそれぞれ手が2本)

(3) すべてのマグネシウムが酸化されたから。

(4) Mg1.2gO2 2.001.20.8gが化合してMgO 2.00gになっている。 → MgO中のMgO1.20.832

 (4) のように,化合物を構成する成分は決まった質量比をもち,これを成分比一定の法則(定比例の法則)という。